2007'07.25.Wed
中学生一護×院長竜弦 第9弾
突如クライマックスへ。
うっかり3ヶ月も経っちゃってごめんよ一護…。
---+---+---+---+---+---+---+---
終わりがあるから、始まるものがあるように
始まるから、終わるものがあるなんて
そんなこと
知りたくなんてなかった
突如クライマックスへ。
うっかり3ヶ月も経っちゃってごめんよ一護…。
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終わりがあるから、始まるものがあるように
始まるから、終わるものがあるなんて
そんなこと
知りたくなんてなかった
+
「なんで……」
なんだ。なんだこれは。
目の前にいるのは確かに知っているあの人だというのに、この冷たい目をした人を自分は知らない。
「俺、空座第一高校に受かった、って云っただけだぜ?」
一護が呟くと、その人は一護に向けていた視線をわずかに逸らしながら小さく返す。
「……私はただ『そうか』と云っただけだよ、黒崎一護」
出逢ったころ、一護はまだ小児科にかかる患者だった。
それが時を経て、1ヶ月後にはもう高校生になる、そんな時節である。
第一志望の高校に受かったという一護の報告を、彼は例によって変わらぬ表情で受けるのだと――それだけだと、一護は考えていた。
他になにを望んだわけでもない。ただ、彼がいつものようにそこにいてくれること、それだけを思っていた。
なのに、
「……い、祝いの言葉のひとつもねーのかよ?」
「君にとってめでたいことが、私にとっても同様だとは限らないだろう、黒崎一護」
その瞳は冷たく鋭くしかし正面から一護を捉えることすら許そうとしない。
わけがわからなかった。
「なんで、……あんた、いきなり」
確かに会いにくるたび、彼には呆れたような顔ばかりされていた。一度だって優しく微笑まれたことはない。一護が一方的に懐いていただけで、彼が一護に好意的であることは滅多になかった。
それでも、彼に絶対的に嫌われていることはないと思っていた。
彼は呆れた顔ばかりしていたし一護の望みは大半が跳ねのけられていたけれど、彼はいつも最後まで一護の話を聞いてくれていたから。
そんなこの人だから、好きだと思った。だから好きになったと――そう、思っていたのに。
これまでに見たことがない、凍てついた目に、一護は素直に恐怖した。
わからないけれど、わかってしまった。
自分は彼の、触れてはならないところに触れてしまったのだ、と。
「帰りたまえ、黒崎一護」
冷たい言葉は、見えない壁となって彼と一護とを隔てていた。
ほんのわずかな時間で、手の届かない人となってしまった。
一護に背を向けたきりのその人に、かけるべき言葉などあるはずもない。
悲しいと思うのに、泣きたいと思うのに、不思議なことだ、もう涙さえ零れないなんて。
さよならさえ云わせてくれなかったひどい人。
――なぜだろう、それでもやっぱりあなたが好きだ。
「なんで……」
なんだ。なんだこれは。
目の前にいるのは確かに知っているあの人だというのに、この冷たい目をした人を自分は知らない。
「俺、空座第一高校に受かった、って云っただけだぜ?」
一護が呟くと、その人は一護に向けていた視線をわずかに逸らしながら小さく返す。
「……私はただ『そうか』と云っただけだよ、黒崎一護」
出逢ったころ、一護はまだ小児科にかかる患者だった。
それが時を経て、1ヶ月後にはもう高校生になる、そんな時節である。
第一志望の高校に受かったという一護の報告を、彼は例によって変わらぬ表情で受けるのだと――それだけだと、一護は考えていた。
他になにを望んだわけでもない。ただ、彼がいつものようにそこにいてくれること、それだけを思っていた。
なのに、
「……い、祝いの言葉のひとつもねーのかよ?」
「君にとってめでたいことが、私にとっても同様だとは限らないだろう、黒崎一護」
その瞳は冷たく鋭くしかし正面から一護を捉えることすら許そうとしない。
わけがわからなかった。
「なんで、……あんた、いきなり」
確かに会いにくるたび、彼には呆れたような顔ばかりされていた。一度だって優しく微笑まれたことはない。一護が一方的に懐いていただけで、彼が一護に好意的であることは滅多になかった。
それでも、彼に絶対的に嫌われていることはないと思っていた。
彼は呆れた顔ばかりしていたし一護の望みは大半が跳ねのけられていたけれど、彼はいつも最後まで一護の話を聞いてくれていたから。
そんなこの人だから、好きだと思った。だから好きになったと――そう、思っていたのに。
これまでに見たことがない、凍てついた目に、一護は素直に恐怖した。
わからないけれど、わかってしまった。
自分は彼の、触れてはならないところに触れてしまったのだ、と。
「帰りたまえ、黒崎一護」
冷たい言葉は、見えない壁となって彼と一護とを隔てていた。
ほんのわずかな時間で、手の届かない人となってしまった。
一護に背を向けたきりのその人に、かけるべき言葉などあるはずもない。
悲しいと思うのに、泣きたいと思うのに、不思議なことだ、もう涙さえ零れないなんて。
さよならさえ云わせてくれなかったひどい人。
――なぜだろう、それでもやっぱりあなたが好きだ。
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